こんにちは。かりしゃちの“かり”です。
今日は、「休日にだけ参加できる狩猟」についてご紹介します!
「狩猟免許は取ったんだけど、仕事が忙しくて使っていない」という皆さん。
私も狩猟免許を取った当初、わな猟は毎日見回りに行かないといけないと知り、
諦めてました。
でも、あったんです。
休日だけ参加できる狩猟が!!!!!!!!
その狩猟の名前は、
「巻き狩り」
実際に私は、狩猟を始めた年、月に2回だけこれに参加していました。ありがたい。
今回は、
その「巻き狩り」がどのような狩猟なのか、また、どのように始めたのか、
詳しくご紹介していきます。

「巻き狩り」とは
【巻き狩りとは】
「巻き狩り」は、「勢子」と「立間」に役割分担をしておこなうチーム猟です。
「勢子」(せこ:獲物を追い出す役回りの人)は、大声を出しながら獲物を追い立てます。そして、事前に予測した獲物の逃げ道に配置した「立間」(たつま:追い出された獲物を仕留める役回りの人)が仕留める猟法です。
また、「猟犬」を使う事も多く、勢子は、猟犬につけた GPS 発信器をもとに、獲物がどの「立間」に近づくかを予想します。
巻き狩りで必ず必要な道具
無線です。
勢子、立間に関わらず、1人1台無線機を持ち、獲物の動きを常に共有します。
例えば、「新しい足跡があります。○○の方向へ向いてます」「犬が立間の○○の方へ近づいているぞ~。鉄砲構えとけ!」というように、勢子はラジオのように実況中継をします。立間は、獲物に気づかれないように1言も発しず、勢子からの声を聴きながら、獲物を待ちます。
撮った獲物は、平等に分け合います。ちなみに、猟犬にもちゃんと分けます。
▶かりの一言▶
私は、鉄砲を持っていないので、いつも勢子役。勢子は叫ぶのが仕事。山の中で「お~い、ほ~い」って大声を出すのは、最高のストレス解消法です♪
巻き狩りのある日のスケジュール
8:00 集合、作戦会議
ここで、各自の配置や追い込み方を決めます。
8:10 立間の配置
まず、立間が配置に着きます。獲物に気づかれないように回り込みながら行くの
で、1~2時間かけて山を登ることもあります。
9:30 勢子が追い込みスタート
立間が全員、配置に着いたところで、勢子が登り始めます。
自分で声を出しながら、たまに勢子玉(音で獲物を追い出すための発砲)も
入れながら、立間へ向かいます。
11:00 獲物の捕獲&解体
獲物が取れると、近くの人は手伝いに行き、解体をします。
11:30 下山
12:00全員合流&お昼&作戦会議
13:00 2ラウンド目スタート
16:30 終了
巻き狩りは、1日がかりですね。
でも、毎日行うわけではありません。多いところで週に2回、少ないところでは月に数回というチームもあるそうです。
巻き狩りの始め方
【巻き狩りは、道具を購入する前に、まず、○○するべし!】
さて、狩猟免許を取り、いざ、始めましょうとなった時、道具を購入する前にやって欲しいことがあります。
それは、巻き狩りをしているチームに所属することです。
なぜ、道具を購入する前かといいますと・・・
チームによって、使っている無線機や使いやすい鉄砲が違うからです!!
例えば、私の所属するチームでは、無線機の種類が指定されています。
無線の種類を、一般の人がなかなか持っていない種類に統一し、チーム外の人に聞かれないようにする為です。
せっかく勢子が追い出した獲物を、全く知らない人に横取りされてしまった残念な事が何度も起こったからだそうです。
また、鉄砲に関しては、巻き狩りをする地域によって、おススメする種類が変わります。険しい山を1,2時間も登って立間を張るチームでは、的中率より軽さが大切ですし、寒い地域では、鉄砲が凍らない素材でないといけませんし、・・・。
ということで、購入した高価な道具が無駄にならないように、
まず、チームに所属し、先輩方におススメの道具の種類を聞きましょう。
巻き狩りチームとは、どのようなものか
巻き狩りのチームですが、これ、
猟友会のように会費を払えば誰でも入れるものとは、全く違います。
また、どの猟友会にもあるとは、限りません。
(ただ、狩猟に力を入れている市町村では、猟友会の中に青年部があり、そこの活動の一環で行っているところもありますので、市役所の免許を交付している課に聞いてみてください。)
さて、猟友会と全く違うとは、どういうことかと言いますと、
巻き狩りのチームは、巻き狩りしたい人の集まり。
つまり・・・
巻き狩り「同好会」と表現するのが当てはまります。
そのため、巻き狩りをしたい人がいなければ、チーム(同好会)もありません。
巻き狩りチームの見つけ方
所属した猟友会にチームがある場合、そこに頼んで、仲間に入れてもらうことが、1番スムーズです。
しかし「所属した猟友会に、巻き狩りチームがなかった。もうできないのか。」という訳でもありません!
同好会ですので、チームの決まりは、法律や猟友会が作っているのではなく、
その同好会が作っています。
「別の猟友会の人でも、所属してるよ~」というチームも少なくありません。
実際に、私が所属する巻き狩りチームにも、他地区や他県の方もいらっしゃいます。
他地区のチームを見つけたい場合は、講習会や鉄砲の大会などに積極的に参加し、情報収集してみてください。巻き狩りに取り組んでいる人は、鉄砲の大会に毎回出場していますし、講習会の講師をしていることも多いからです。
巻き狩りチームの入会方法
この書類を出せば・・・、入会費を払えば・・・
という事では、ありません。同好会なので。
同好会ごとに違いますが、どこにでも当てはまることが一つ。
「まず、地元のおじちゃん達のガードを解く事」
詳しくは、何人もの先輩に本音を聞いてきた私が「かりの一言」でお伝えします。
▶かりの一言▶
狩猟のチームと聞くと、地元のおじちゃん達の集まりで、ガードが固いイメージがあると思います。正直言うと、確かに、頑丈過ぎるほど固いです。
ふらっと挨拶に行って、入れてくれるところは、なかなかない。うーん。
でも、でもですね、そのガードを超えてきた人が何人かいるんです。
なので、みなさんに、地元おじちゃんのガードの解き方をお伝えします。
まずは、鉄砲の大会や講習会などに参加する。そして、挨拶をしたり、何度も話ながら、やる気を伝えてみてください。
いつかきっと、「いいよ、おいで」と言ってくれます。
私のチームでは、「この一言を言ってもらえた=入会」です。
巻き狩りは、鉄砲という、1歩間違えば、命が関わる道具を使ってますからね。最終的には、人間性が大切なんです。おじちゃんは、人間性を見極めてるんです。
ガードにおびえず、笑顔で挨拶から始めてみてください。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
「休日は、猟師をしています」と言える日が、皆さんにも来ますように。
by かり
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